梓南朋の執筆旅(事前準備編)

梓南朋が旅に出る物語

【煙草】禁煙を辞めると決めること

梓です。

 

今回は僕が禁煙をして、そして禁煙を辞めた話をします。

これだけ読んで、正直どう思いましたか?

怒らないから素直な感想を言いなさい。

「禁煙を辞める? それ禁煙失敗しただけじゃね?」

絶対そう思っているでしょう。

 

違います。

全然違います。

 

僕は禁煙に失敗したわけではなく、

意識的に、意図的に、

禁煙を辞める、煙草を吸う!

という決断を下したのです。

意味がわからないと思っているアナタは、この記事を最後まで読んだほうが良いと思います。もしかしたら少し前の僕と同じで、知らず知らずのうちに、

人生における優先順位を間違えてしまっているかもしれないのですから。

 

 

ではそもそも。

どうして僕が煙草を辞めようと思ったのかという話から。

(始めた理由なんて書くほどのこともないテンプレの内容なので書きません)

辞めようと思った理由は単純で、

お金がないから。

でした。

小説を書きながら旅に出るという僕の夢を叶えるために、

今やっている仕事をすべて辞めたのがその原因でした。

それ自体に後悔もしていないし、今では在宅でできる仕事をしているのですが、それでもやっぱりお金は全然稼げない。

そんなとき、一番の無駄として映ったのが煙草でした。

これまでしんどいときや、居酒屋や、喫煙所のコミュニケーションにとても役立ってくれた煙草でしたが、お金には代えられない。

僕はそう思い、煙草を辞めることにしました。

 

禁煙って大変だろうな、とある程度予想はしていました。

実際禁煙三日目は地獄でしたね。わら

でもそれからは意外とすんなり吸わないことを受け入れている自分がいて、

つい最近まで僕は、煙草を完全に断っていました。

辞めてからいいことばかり!

・金がなくならない

・ニキビが治る

・心なしか体が軽い

禁煙って素晴らしい!

そうして、僕は煙草のことをほとんど忘れて生活をしていました。

そんなある日のことです。

ふと立ち寄ったコンビニで、僕は一週間ぶりに煙草のパッケージを目にしました。

見ると少し前の記憶が戻ってきて、僕を誘惑します。

「だめだめ!もう吸わない!」

そう思って振り切ろうとしたときでした。

僕の中に、ある疑問がふと、湧いたのです。

 

あれ、僕ってどうして煙草を吸わないと決めたんだっけ?

 

一度そういう風に考えてしまうと、思考を止めるのは無理なことでした。

考えます、僕が煙草を辞めようと思った理由。

お金がない、だから、買わない。

買わない理由はそれだけ?

 

健康に気を使ったりは?してないな、そんなこと。

煙草が嫌いになった?むしろ逆。これまで随分とお世話になった。

煙草が吸えるから、そう思って戦ってこられたことが、どれだけあったか。

じゃあ僕は、煙草、好きなんじゃないか?

たぶん、好き。

そうなると、こういうことだ。

 

お金がない、だから、好きなものをやめる。

やめようとしている。

やめようと、してしまっていた。

 

煙草を無駄なものだと切り捨てることは簡単だろう。

健康に悪いし、金かかるし、ニキビできるし。

でも、好きなんじゃないか。

好きなものを辞めるのに、お金がない、なんてことが理由になっていいのか?

折角、好きになれたものなのに。

 

好きなものを好きで居続けるというのはとても難しいことです。

好きなものにも突き詰めれば嫌な側面だってある。

でもその上で、辛いけど、好きなこと、ものって凄くないですか。

まだ僕が言いたいことがチンプンカンプンな人は、

きっとこれが煙草だからじゃないですか。

例えば漫画だったら?

服だったら?

ゲームだったら?

それらがアナタに良い側面しかないと、本当に言えますか?

 

禁煙を通して僕が最も学んだことは、

好きなことでも、辞めてしまえるということ。

時間が過ぎれば、好きだったことも忘れてしまえるということ。

寂しいでしょう、それは。

音楽が好きで、歳を取ったら今の音楽はわけわからんとか言って。

映画が好きで、歳を取っでも昔見た映画の話ばかりして。

時間は有限です。だから、時には好きなことだって捨てなければならないときもある。

でも今、この煙草に関してだけ言えば、僕がお金を稼げばいいだけの話。

それなら少なくとも、今、辞めなくてもいい。

自分から大好きな無駄なものを減らす必要なんてないんです。

無駄を背負っていきましょう。

一見無駄に見えるような、そんな彼らが、いつか自分にとって、無駄ではなくなるから。

大切な、自分の一部になるから。

 

そう思い、僕は禁煙を辞めました。

今日もまた、歴史的な一本に火をつける僕でした。